不妊治療の基礎知識~薬と移植~

今回は知っているようで分かっていない西洋医学的不妊治療の知識についてお伝えしていきます。

排卵誘発剤という言葉は不妊治療をされている方は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
では、排卵誘発剤にはどんな薬があるのでしょうか?
大きく分けると3つに分類することができます。 

1つ目は「排卵を抑制する薬」
採卵前に排卵してしまった、ということを防ぐためです。

2つ目は「卵胞を育てる薬」
3つ目は「排卵を促す薬」

卵胞が十分に成長しても成熟するためにLHは必要です。
しかし、早期排卵を抑制するために、薬でLHを抑えたため代わりになる薬が必要となるということです。

卵胞の成長を促す薬には大きく2種類あります。その1つが脳に働きかける薬です。その中で代表されるのが

 シクロフェニル

クロミフェン

脳に働きかけエストロゲンをブロックすることで卵胞の成長を促すものです。
卵胞を成熟させるために、下垂体は卵巣に向かって卵胞刺激ホルモンを分泌します。
十分に成長するとエストロゲンが視床下部に向かって、十分に育ったことを伝えるのですが、

シクロフェニル

クロミフェン

がブロックします。
これによって、
卵胞刺激ホルモンは分泌され続け、卵胞が成長していきます。
もう1種類の薬が卵巣に直接働きかける薬 でもある

hMG

FSH

卵巣に直接働きかけることで卵胞が成長します。より多くの卵胞を育て卵子を確保することが可能です。

早期排卵を抑制し卵胞の成長を助けた場合卵胞の成熟に必要なLHが
抑えられているためにLHを補う薬が、LHサージを人工的に起こし排卵へ導きます。投与後約36時間で排卵が起こるとされています。

多くの薬を使うことに不安を感じている方もいらっしゃると思います。
なんのために使っているのかを知ることで少しでも安心して妊活に望めればと思います


次に、卵の質と量のお話です。

卵の数と質を一緒だと考えている方がいらっしゃるのではないでしょうか?
卵巣の中には沢山の原資卵胞が排卵までの間眠っています。


お母さんのおなかの中にいるころは700万個あり、生まれるころに200万個になり、思春期には40万個に減少し
閉経時には1000個になっていると言われます。
女性の卵巣には卵子が保存されているだけで新しく作られることはありません。つまり一緒に年をとっていくのです。
しかし


卵子の状態は年齢だけでなく、ストレスや体調など、様々な影響を受け変わっていきます
 
それを知る一つの指標となるのが

「AMH」です。


AMH:アンチミューラリアンホルモンの略

発育過程にある卵胞から出るホルモンは、原資卵胞が発育する前、胞卵胞数を反映すると考えられています。
これにより卵巣内にどれくらいの数の卵が残っているのかを知ることができます。

年齢とともに減っていく卵ですが、必ずしも少なければ質も悪いとは言えないのです。
少ないと言われショックを受ける方は少なくないと思いますが、少なくても妊娠される方は沢山いらっしゃいます。
体質を良くしていくことに一度目を向けてみてくださいね


最後に「胚移植」についてです。


胚移植とは一定期間培養した胚を子宮へと戻すことを言います。
移植される胚の数は原則1個胚と決められています。
二卵性双胎が増加し周産期医療が圧迫されることや妊娠後の安全性が考えられています。

年齢や移植回数などを考慮しながら複数個移植することもあります。胚は通常、子宮腔内に移植します。

移植する胚の状態は、初期胚と呼ばれる8分割までの胚、桑実胚、胚盤胞のいずれかです。

 

どの胚を移植するかは、医師の方針によります。

最近では凍結融解胚移植での妊娠率が高くなり、一旦凍結し子宮内膜の状態やホルモンバランスを整えてから移植することも増えてきました。

では移植する胚はどのようにして選らばれるのでしょう?

初期胚、胚盤胞とそれぞれ胚の評価法があります。

初期胚はVeeck分類法で評価しています。

 

グレードが1~5まであり、形態評価が主で、見た目がキレイであれば分割に問題が少なく胚に力があると考えられているからです。
しかし実際には、形態に問題がなくても染色体などに、問題があることもありますし、グレードが低くても妊娠することはあります。
まずは自身のお身体を整え万全の状態で臨みたいですね。


最後までお読みいただきありがとうございました。


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住吉鍼灸院 監修

産婦人科医 平林大輔先生