胃下垂と不妊 総まとめ

こんにちは

今回は、胃下垂についてお話ししていきます。

胃下垂というと、胃が元の位置よりも下がってしまって、下っ腹がポッコリなんてイメージですよね。

胃下垂は文字通り、胃が下垂してしまうことで、それによって腸や子宮を圧迫してしまうと血流不足により不妊にも関係してくることが考えられます。

 

胃下垂の原因としては様々なものがありますが、

先天的なものではなく、食生活がかかわっていたり(食べ過ぎ習慣、夜食癖、脂っこいものが好きでよくたべる)、胃を支える筋肉や脂肪の少ない瘦せ型で長身の方、猫背の方に起こりやすいと言われています。

 

今回は、胃下垂の原因を東洋医学的に考えていきたいと思います。

 

 

先ず、

東洋医学的に、人間はそもそも気が集まってできています。気は通常以下の3つを材料にして作られています。

  1. 父母からもらった先天の精気
  2. 飲食物(水穀)から得た水穀の精気、あるいは穀気とも
  3. 自然界の清気(酸素)

この“気”は身体の隅々を流れている、必要不可欠な目に見えないエネルギーですが、働きが5つあります。

その中で、胃下垂にかかわってくる働きが、固摂作用というものです。

 

体液や内臓をあるべき場所に保持する 【固摂作用(こせつさよう)】とは。

気の固摂作用とは、体にとって必要なものを、あるべき場所にしっかり保持する作用のことです。固摂の対象となるものは主に2種類あり、1つは体液、もう1つは内臓になります。

ま1つ目の体液ですが、人間の体には、血液・汗・大便・小便・唾液・精液・帯下(おりもの)……など、さまざまな体液があります。例えば、血液は血管の中にちゃんといて、血管の外へ漏れ出ないようにしなければなりません。それぞれの液体が本来の居場所から外れて、たくさん体外へ流出してしまうと、人は病気になってしまいます。液体を保持してあるべき場所に留め、分泌量をコントロールして必要以上の流出を防いでいるのも気の固摂作用の役割です。

そして、もう1つは内臓です。

内臓もあるべき場所は決まっています。ふつうなら重力に負けてすべて下に垂れ下がりそうですが、内臓の位置が決まっていて変わらないのは気の固摂作用である、と中医学では考えます。気の固摂作用が弱まって、内臓があるべき位置から外れてしまうと、まさに胃が垂れ下がり過ぎてしまう(胃下垂)や、

さらに子宮が下がり過ぎてしまう(子宮下垂)、あるいは遊走腎などの症状が現れます。また、胎児も固摂の対象のひとつですので、流産にもかかわってきます。

 

ですので、この気の固摂作用が何らかの理由により低下してしまうと胃下垂が起こりやすい状態になってしまうということです。

 

気の作用が低下する理由としては、気が足りなくなってしまう、「気虚」が最も多い原因となります。

そして気虚は、気が少なくなってしまっているという意味ですが、最初の方にお伝えしました気の材料の二つ目、後天的に口から入ってきた食べ物から脾胃によって作られる気が、胃腸の不調(脾弱など)により少なくなってしまい、気虚になってしまうことが考えられます。

ですので、治療では、気虚や胃腸つまり脾胃に対してのアプローチをしていくことで、気の固摂作用を高め、胃下垂を改善していくことができるのです。

 

 

 

次に、

西洋医学的な観点からお伝えさせていただきます。

 

胃が正常な位置より常に下がっている状態を胃下垂といいます。

原因がはっきりしているものと、そうでないものに分かれます

病的な原因としては、糖尿病に関連した胃下垂が多いといわれており、そのほかにも以下のようなさまざまな病気が原因となりえます。

  • 胆嚢たんのう疾患
  • 膵炎
  • ウイルス感染症
  • 神経性食思不振症
  • 胃食道逆流症
  • 胃がん
  • アミロイドーシス
  • パーキンソン病
  • 甲状腺機能低下症

などです。また、胃の手術をおこなった後や暴飲暴食、過労、ストレス、出産などによって胃下垂が引き起こされることもあります。

そしてそのような病気などの原因がなくおこるものが多くありますが、おなかの壁の脂肪不足や腹部圧力が低下している痩せ型の人におこりやすいといわれており、多くは胃の動きが低下し、胃の働きが弱った状態(アトニー)を伴っています。

虚弱体質など先天的なものによるところが大きく、胃下垂単体では必ずしも病気とはいえません。暴飲暴食、過労、不安、など様々なストレスが引き金になって胃の働きが弱り症状が現れやすくなるともいわれておりますが、体型とも関係があるようで、一般に女性に多く見られます。

 

気になる症状ですが、必ずしも症状を伴うとは限らず無症状の方も多いです。しかし、何かしらの症状を引き起こすこともあります。具体的には、心窩部しんかぶ(みぞおち付近)の痛み腹部膨満感、吐き気、便秘胃酸の逆流、口臭などが出てくるといわれています。

食後にお腹の張りや吐き気などが増悪することもあります。また、胃が骨盤部まで落ち込むことで、お腹がぼってりと腫れて見えることもあります。よく言われる瘦せ型のポッコリおなかですね。

一方で、特に自覚症状がなく、別の理由で行われた透視検査をきっかけとして、胃下垂の指摘を受けることもあります。

 

というように、胃下垂だからといって何か悪いことが起きるということではないのです。

つまり、胃下垂が直接の原因ではありませんが、胃が本来ないはずの場所まで落ちてくることで、おなかが出る、つまり、下の臓器を圧迫してしまうのです。

子宮は血流が大きくかかわる臓器ですので、おなかにある血管を胃下垂によって圧迫してしまうと、妊娠するための子宮にとっては良くないということになります。

 

 

 

それでは

それを踏まえて、当院で出来ることをお伝えしていきますね。

ポイントになるのは

「気虚」と

「胃腸の健康」

そして「骨盤内の血流」でしたね。

気虚は胃下垂の原因になりうる要素、胃腸の健康は胃下垂の方が一緒に良くしていくといい要素、「骨盤内の血流」は胃下垂によって阻害されしまう可能性のある要素です。

 

それぞれに対して当院が行っている治療法をお話していきたいと思います。

 

「気虚の治療」

①鍼とお灸

気虚に関しましては東洋医学的な分野になりますので鍼で治療をしていきます。

気虚は気が少なくなってしまった状態ですので、鍼をすることで気を補ったり、巡りやすくすることによって、気を作ったり気のもととなる臓腑にアプローチをしていきます。

また、お灸は補う力が大きいのでお灸も組み合わせて行うこともあります。

 

 

②遠赤外線

“気”には一番最初の記事でも紹介したように、暖める作用があります。

ですので、気虚になってしまうと冷えの症状が出やすくなってしまうのです。そして気虚から冷えが強くなりすぎてしまうと、陽虚というより進んだよくない状態になってしまうため、それを防いで気虚の冷えに対して物理的にアプローチするのが遠赤外線です。

最もお腹の冷えの原因になりやすい足先または、お腹に直接遠赤外線をあてることによって、暖め、気がめぐりやすい状態にしていきます。

 

(こちらは東洋医学的な知識が少しないと難しい説明だと思いますので、詳しく知りたい方は住吉鍼灸院のスタッフまたはお知り合いの鍼灸師さんに聞いてみてくださいね)

 

 

「胃腸の健康」

次に胃腸の健康に対しての治療です。

①鍼灸

先ずはやはり鍼灸治療です。

皆さん鍼灸治療と言えばどんな疾患を思い浮かべますか?

ぎっくり腰、肩こり、背中の痛み・・・など筋肉や動かしたときの痛み、コリを思い浮かべる方が多いかと思います。しかし、実は鍼灸治療は胃腸へのアプローチがとっても得意なのです。

胃腸の働きには、副交感神経という体をリラックスさせる自律神経が関わっています。

緊張している時や戦闘態勢になっているときはお腹が空かず、

血流は足末端や胃腸から、戦う(現代ですとお仕事など気を張る場面)為の脳や筋肉に多く流れるように交感神経に切り替わっています。

 

鍼やお灸をすること、お身体がその刺激に反応して、リラックスし副交感神経が優位になります。この働きが内臓や手足末端に血流を集め、胃腸の機能を働きやすい状態にさせることができるのです。

ですので、治療では身体をよりリラックスさせたり胃腸に繋がっているツボに対して行うことでさらに胃腸へのアプローチをしていきます。

 

②オイルトリートメント

O2クラフトという酸素が空気中の10倍含まれているオイルを使って、筋肉に向けて手でアプローチしていきます。

胃腸の不調は、胃の裏に当たる左の背中にリンクして症状が出ることがとても多いのです。逆に、背中の筋緊張をオイルトリートメントで緩めていくことによって胃腸の状態を悪くならないようにしていきます。

 

「骨盤内の血流」

骨盤内の血流の低下に対しての当院でできる治療についてお話していきます。

今回は骨盤内の血流UPのポイントとともに治療法をご紹介していきますね!

 

骨盤内には子宮や卵巣があり、また子宮には妊娠したときにたくさんの血流が必要になっていくため、他よりも多く血流が行くように大きな血管から栄養されています。

妊娠前の女性も、ホルモンは血流によって届いたり、出したりしているため大切です。そんな大切な血流を良くするために必要なポイント1つめは、

 

“歪みを整えること”

実は子宮は骨盤からついている靭帯にハンモックのように支えられています。

骨盤が歪んでしまうと靭帯や筋肉が正常の位置からねじれたり偏って使ってしまったりと、血流の邪魔をしてしまうこともあります。

当院では歪なく動きを手みを整えるために、活法整体、や運動療法を行っています。

筒説明していきます。

 

①活法整体

・・・活法整体は筋肉の痛みではなく動きにフォーカスした整体で、起源が戦国時代の古武術の一つと言われています。古武術というと少し怖い、痛そうなイメージを持たれる方もいらっしゃるのですが、妊婦さんやご高齢の方でも受けられる優しい整体です。

 

➁ストレッチ

・・・筋肉を自分で伸ばせる範囲より少し負担をかけて伸ばしていくことで、効率的に筋肉の緊張をとっていくことが出来ます。歪みは筋肉のバランスが崩れて()片方が強く引っ張ったり)起こることも多いので、ストレッチで整えていきます。

 

③運動療法

・・・10分乗るだけで2時間分のウォーキング量に相当する運動ができる”ブルブルマシーン”ですが、実はこの揺れが横だけでなく3Dに揺れているので、骨盤を整える効果もあるんです。また、胃下垂や便秘などの落ちてきて血流をふさいでしまっているものに関しては、走ったりジャンプしたりの上下運動は大切になっていきますので、妊活中で運動不足の方にもおすすめです。

 

 

“温めること”

二つ目は温めること。これはとても重要になってきます。

温めると血管が広がり、血流が良くなります。当院は不妊治療をしていらっしゃる方が多くご来院されるため、温める治療は多くのバリエーションがあります。

 

①サンビーマー

・・・遠赤外線による血管拡張作用でお腹や足元の血流を良くしていきます。足元が冷えているとお腹を温めていても足で冷やされた血液が戻ってきてしまうため、足を温めることが多いです。

 

➁温石

・・・玄武岩という火山岩をお湯で温めたものを、お腹の上や背中、腰に乗せていきます。程よい重みと馴染みの良い質感でお風呂に入ったような暖かさがあり、リラックスできます。

 

③棒灸

・・・もぐさを棒状に固めたものの先端に火をつけてその熱をかざします。お灸の効果もあり、さらに広範囲を温めることができます。当院で使用している棒灸は、もぐさを炭にしたものを使用しているため、煙や匂いもありません。主に下腹部や仙骨(骨盤の後ろ側の骨)を温めるのに使います。

 

他にもお灸、湯たんぽ等、その時の状態に合わせて使い分けています。

 

 

それでは最後に

おうちで出来るケアについてお話させていただきます。

 

①自宅灸

治療のポイントとしてお伝えした、「気虚」と「胃腸の健康」「骨盤内の血流」にそっておうちでのケアも行っていくのですが、この3つ全てをカバー出来るのが“お灸”です。

「おうちでお灸ができるの?」「煙がすごくて臭いがつきそう」と思った方!

安心してください。当院のお灸はカマヤのスモークレスタイプの台座灸を使用しているので、簡単、しかも煙や匂いが出にくいのにもかかわらず、熱の通りが良いのです。

 

ご通院されていらっしゃるかたには、担当のスタッフがお灸をする場所(先ほどの3つのポイントを踏まえた上でツボを選ぶ)に印をつけ、その場所にご自宅でお灸をしていただいています。

お灸は鍼にも似たような効果がありますので、治療ではない日も毎日お身体にアプローチしていくことが出来ます。

 

➁足湯

もう一つが足湯です。

足湯をすることで、循環を良くする、冷えの改善、胃腸機能改善、血流UP、副交感神経優位(リラックスした状態)免疫力アップの効果を期待できます。

全身浴よりも、疲労せずに短時間でじんわり温まり、よりリラックスすることができます。

やり方はくるぶしが浸かる位の桶やバケツを用意し、42、3度の集めのお湯をためて、顔が少しほてるまで、足をつかります。時間の目安は10~15分程度です。浸かっている間、お湯が冷めていかないように熱めの差し湯を用意しておき、随時温度を心地良いか少し熱めに保ちます。

顔がほてってきたら、足をお湯から出して、冷たいシャワーを足にかけて、毛細血管を引き締めましょう。保温の効果が高まりますよ!

この時注意していただきたいのが、汗をかいてしまうほど頑張らないということです。

汗をかいてしまうと全身浴と同じくエネルギーを使って疲労してしまうので、気をつけてね。

詳しく知りたい方はお気軽に住吉鍼灸院までお問い合わせくださいませ。

 

 

ということで、おうちで簡単にできるケアをお伝えしていきました。

しかし健康の3大要素、食事、睡眠、運動はないがしろにしてはだめですよ。

 

どんなにたくさん治療に通っても、おうちでたくさんケアしても、この3つを意識して良くしていくことが良くなることへの一番の近道だったりします。

 

治療院でのメンテナンス、おうちでのケア、普段の生活という3つの視点から、胃下垂以外の不調も見てみてくださいね!

 

長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

住吉鍼灸院 村石

 

 

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監修 婦人科医 平林大輔先生