砂糖断ちは多嚢胞性卵巣症候群に効果的なの?

2016/05/11

こんにちは、

江東区住吉にある不妊専門鍼灸院、住吉鍼灸院です。

今回は多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と砂糖の関係についてお伝えいたします!

 

そもそも多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは?

通常の月経周期では、排卵に向けて数十個の卵胞が育ち始めますが、十分に成長して排卵されるのは1個のみです。他の卵胞は途中で成長が⽌まり、やがて小さくなっていきます。ところが、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は卵胞の成⻑が途中で止まり、たくさんの⼩さな卵胞(嚢胞:のうほう)が卵巣内にとどまってしまう病気です。卵胞が育たない理由として、脳下垂体から分泌されるゴナドトロピンの分泌と卵巣から分泌される女性ホルモンのバランスが崩れる事や、男性ホルモン過多が原因だと考えられています。あまり聞きなれない病気かもしれませんが、性成熟期(20代〜45歳) の女性の5~8%にみられるといわれています。

 

PCOSの症状

卵胞が育たず定期的に排卵が起きないため、⽉経周期に異常(無月経、希発月経)があらわれ、不妊の原因にもなります。その他に、男性ホルモンの影響により毛深くなる、ニキビができる、肥満、血糖値上昇などの症状があらわれることもあります。多嚢胞性卵巣症候群の女性の多くでは、インスリンの作用に対する細胞の反応性が低下した状態(インスリン抵抗性または前糖尿病)がみられます。治療せずに長期間放置すると子宮体がんやメタボリックシンドロームなどのリスクが高くなるといわれています。

 

PCOSの診断

以下の3つの特徴を満たす場合、多嚢胞性卵巣症候群と診断されます。

① 月経周期の異常

② 超音波検査で卵巣内に発育していない卵胞がたくさんみられる(ネックレスサイン)

③ 血液検査で男性ホルモンや黄体化ホルモン(排卵をうながすホルモン)が高値になる

 

PCOSの治療法

その時点で妊娠を希望しているかどうかを考慮して治療が進められます。

 

《妊娠を希望する場合》

ホルモン療法をベースに排卵をうながし、妊娠をめざします。また、排卵しやすくするために腹腔鏡下手術で卵巣に穴をあける手術があります。この手術を行うと薬に対する反応性がよくなったり、自然に排卵するようになったりします。効果は半年~1年続きますが、時間が経つともとの状態に戻っていきます。

 

《妊娠を希望しない場合》

月経をきちんと起こすために、黄体ホルモンやE・P(エストロゲン・プロゲステロン)配合剤が処方されます。また、肥満をともなう場合は症状が重くなりがちなため、減量を含めたライフスタイルの改善が必要とされます。

 

 こちらの記事では「多嚢胞性卵巣症候群」の症状や原因について詳しく解説しております。

https://www.sumiyoshi-shinkyu.com/223552

 

砂糖断ちとは?

砂糖断ちとは、その名の通り「砂糖を食べない」ということで、シュガーフリーともいいます。糖質を完全に断つ場合もあれば、白砂糖のみを断つやり方もあります。砂糖にはヘロイン並みの中毒性があり、マイルドドラッグとも言われています。なぜ私たちは糖分中毒から抜け出すのが難しいのかと言うと、その理由は、糖分が私たちの体にとって一番エネルギーに変えやすい成分だからです。体内の糖分が無くなると、エネルギー切れした体は、なんとかエネルギーに変えられるものを探し始めます。そのとき私たちは炭水化物や甘いものを欲するのです。このような糖分中毒から脱出するには約2週間が必要で、2週間糖質制限をすることで自分の脳を慣れさせていきます。

 

不妊と砂糖の関係

砂糖は血糖値を急激に上昇させるため、血糖値を下げる機能のあるインシュリンが膵臓から大量に分泌されます。これを繰り返すとやがて膵臓が疲労してインシュリンの分泌が悪くなり、糖尿病を誘発するのです。特に女性は血中のインシュリン濃度が高くなるとテストステロン(男性ホルモン)が増加し、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)になる事で不妊の原因となるのです。

砂糖断ちにPCOSの予防効果はあるの?

糖尿病の薬であるメトフォルミン(グリコラン、メルビンなど)が排卵障害を改善することがわかってきています。糖尿病の薬は血糖値を下げてインスリンの過剰な分泌を抑えるので、卵巣で男性ホルモンも抑えられ、卵巣内のホルモン環境が改善される事で排卵しやすくなると考えられています。砂糖断ちをする事で、同じく血糖値を下げることができ、インスリンの過剰な分泌を抑えるので、インスリンが悪さをしているタイプのPCOSの方には効果があると考えられます。

 

妊娠しやすい食事法とは?3つの改善ポイント

妊娠しやすい心や体をつくるためには、健康的な食生活が重要です。栄養素が偏ると女性ホルモンのバランスが崩れ妊娠しにくくなりますし、貧血や栄養失調など全身に影響を与える可能性もあるので、注意が必要です。特に今回は糖質を摂りすぎない為に気をつけたいポイントをお伝えいたします。

 

血糖をコントロールする

毎日の食事の50%を糖質の吸収が遅い、ブロッコリー、アスパラガス、キヌア、ひよこ豆、フルーツやドライフルーツ(糖質の少ないりんご·アプリコットなどのドライフルーツがオススメです。)などの炭水化物を食べることで、自分の体に少しずつ糖分を送り込むことができます。これをすることで自分の血糖値を一定のレベルにキープすることができます。

 

タンパク質をしっかりとる

タンパク質は、私たちの体を構成するために欠かせない栄養素です。皮膚、血管、筋肉、内臓などだけでなく、実はホルモンもタンパク質から作られるため、妊娠を望む方には欠かせないのです。特に牛肉、鶏肉、魚、たまごなどの動物性タンパク質の食品を食べましょう。動物性タンパク質を摂ることで、食事の満足度が高まり糖分も欲しづらくなります。

 

良質な脂質を摂取する

私たちが食べている甘いものには脂質が多く含まれています。アーモンド、くるみ、オリーブ、アボカド、ココナッツ、魚などの健康的な脂肪分に置き換えることで、甘いものに対する欲を減らすことができます。

 

どうしても甘いものが欲しくなったら?

どうしても甘いものが欲しくなってしまったら、その時はフルーツに置き換えてみましょう。もし、チョコレートやアイスクリームの甘さに比べ満足できない場合は、塩を少しかけて食べるとフルーツをもっと甘く、美味しく食べることが出来ます。人間の舌は先端で甘さを感じます。そのすぐ横に辛さ(塩分)を感じる部分があるのですが、塩を少し加えることで甘さを感じる先頭部分が敏感になり、甘さをより感じやすくなるのです。2週間我慢することができれば、糖分への中毒性がなくなり、1日に必要な砂糖の摂取量(25グラム)に近づけるはずです。

 

食事以外で行えるPCOS予防法

多嚢胞性卵巣症候群は、肥満を改善することで症状や状態が改善することがあります。肥満の改善には、生活習慣の見直しが欠かせません。また、必要であれば排卵誘発剤を使用して生理が起こるようにアプローチしていきます。

 

適度な運動を心がける

運動により、糖質を消費・燃焼することでインスリン抵抗性を改善することは可能です。運動によって糖質・脂肪のどちらも消費されますが、運動の強度によって割合が変化します。息が切れるくらいの強度では糖質の方が多く消費され、やや息が上がるくらいの運動では脂肪の方が多く使われます。ランニングで言えばダッシュで糖質が、ジョギングで脂肪がそれぞれ優位に消費されます。少し息が切れるくらいの運動を短時間でも行う事が大切です。

 

排卵誘発剤を投与する

多嚢胞性卵巣症候群は、排卵がうまくおきない状態になっているため、排卵を促すために排卵誘発剤を投与することが多いです。一般的にまずはクロミフェン療法が行われます。クロミフェンは排卵誘発剤のひとつで、飲み薬です。生理5日目から5日間内服し、内服が終了してから5~12日後に排卵がおこります。状態によっては、他の薬を併用する場合もあります。

 

まとめ

ここまで、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)についてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか?症状としてはっきり出ないこともあるため、知らないうちに発症している場合も非常に多いです。もし生理不順や不正出血などの症状がある場合は、お近くのクリニックに相談してみましょう!

 

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【監修】

住吉鍼灸院 院長 藤鬼 千子

鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師

2011年国家資格はり灸師、あん摩マッサージ指圧師免許取得。
2011年住吉鍼灸院入社。
2017年不妊カウンセリング学会認定、不妊カウンセラー。

施術歴13年

 

 

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